AtCoder Beginner Contest 230 - ABC 230 F - Predilection の解法です. 解説ACです.
問題概要
長さ$N$ の数列 $A$ が与えられる.次の操作を好きな回数行う.
- 数列の長さが2以上のとき,隣接する2つの値を,それらの和で置き換える.
0回以上の操作の結果得られる数列の種類数を mod 998244353 で求めよ.
制約: $N \leq 2 \times 10^5$,$-10^9 \leq A_i \leq 10^9$
解法
0-indexed で書く.
$A_0, \ldots, A_i$ から得られる数列の集合を $S_i$ とする. $S_{i}$ の要素は,$S_{i - 1}$ の要素 $p_0, \ldots, p_m$ から, いずれかの手段で得られる.
- (A) 末尾に $A_{i}$ を追加して,$p_0, \ldots, p_m, A_{i}$ とする.
- (B) 末尾の数に $A_{i}$ を加えて,$p_0, \ldots, p_{m-1}, p_m + A_{i}$ とする.
このように作成したものが重複する場合を調べる. (A)どうし,(B)どうしは重複しない. (A) 型の $p_0, \ldots, p_m, A_{i}$ と (B) 型の $q_0, \ldots, q_{n-1}, q_n + A_{i}$ が一致する条件は, $m = n - 1$, $A_{i} = q_n + A_{i}$,$p_j = q_j$ ($j = 0, \ldots, n - 1$) である. 逆に,$n > 0$ かつ $q_n = 0$ であれば, $Q_1 = q_0, \ldots, q_{n-1}, 0$ に対して (B) を適用した数列と, $Q_2 = q_0, \ldots, q_{n-1}$ に対して (A) を適用した数列が一致する. また,$Q_1$ が $S_{i - 1}$ の要素であれば,$Q_2$ も $S_{i - 1}$ の要素である.
したがって,
- $S_i$ の要素数を $dp[i]$
- $S_i$ の要素のうち,長さが2以上で末尾が0であるものの数を $f(i)$
とすれば,
- $dp[0] = 1$
- $dp[i] = 2 \times dp[i - 1] - f(i - 1)$
となる.$f(i)$ については,$A_k + A_{k + 1} + \cdots + A_i = 0$, $0 < k \leq i$ となる $k$ が存在しなければ,$f(i) = 0$ である. 存在する場合には,そのような $k$ のうち最大のものを $k_0(i)$ として, $f(i) = dp[k_0(i) - 1]$ である.
$k_0(i)$ は,累積和を用いて $O(N\log N)$ で計算できる. 全体の計算量は $O(N\log N)$ となる.